【書評】村田沙耶香さん「地球星人」 「宇宙の目」で眺めてみよう

 

 

「宇宙人の目」で世の中を見てみると、

なんとも滑稽なものだ。

世間一般で「常識」とされているものは、

「地球人の目」で見たもので、

ただの偏見だ。

 

それを共有しているだけ。

 

地球星人は、いろんなしがらみを抱えて生きている。

進学、就職、結婚、出産、子育て、転職、出世…et cetera

そんなものは、地球星人が作り出した幻想で、

宇宙人からしたら、そんなものには価値がない。

 

僕は研究室の抽選に落ちた。

昨日は絶望した。

だけど、落ち込まないようにした。

なぜなら、地球星人のしがらみなんて、

ポハピピンポボピア星からみたらちっぽけなものだから。

 

そんなものに価値はない。

悩むようなことでもない。

僕たちが抱えるすべてのしがらみをとっぱらってみると、

あることに気づく。

 

そんなことで死にはしない。

ということ。

 

結局、生存するという目的において、

そんな常識は役に立たないし、

たかだか研究室の抽選に落ちただけだ。

そんなものに落ち込んでいるのは馬鹿馬鹿しい。

 

なんとしてでも生き延びること。

それができるのなら、たいした問題ではないのだ。

 

絶望したときに初めて読書ができる。

絶望していないときの読書なんて偽物だ。

 

絶望できたら、ラッキー。

ホンモノの読書ができる時間を神から与えられたのだ。

 

今まで大切だと思ってきたものにこだわりすぎていた。

本がなかったら、もっと絶望していたのかもしれない。

本はいつも僕に新しい視点をくれる。

結局、新しい視点から眺めたら、大抵の問題はちっぽけだ。

 

悩んだときこそ、「宇宙人の目」で眺めてみよう。

悩んだときこそ、こだわりを捨ててみよう。