他者としての親子関係

子どもは変わるのである。小さいころ親を必要としていたようには、大きくなって親を必要とはしない。それが正常な成長なのである。小さいころの親と子の結びつきは弱さからの結びつきである。しかし、成長してからの結びつきは、強さからの結びつきに変化しなければならない。

加藤諦三 著 「安心感」より引用

親子関係というものは非常に大きなテーマである。

誰しも人間関係の基礎、本質は親子関係から学ぶからである。

親子関係が成熟していないと、親離れ子離れができない。

自立には二種類ある。

精神的な自立と経済的な自立だ。

経済的な自立は、わかりやすい。

自分で自分の生活を成り立たせていくという自立。

一方で、精神的な自立はわかりにくい。

というのも、精神というものは目に見える形で現れにくいからだ。

お金ならば数字があるし、

経済自体も数字で測ることができる。

しかし、精神は測れない。数字はない。

メンタルの強さを数字で計測できるようになったらそれこそわかりやすいわけだが、

人類がどれだけ進化したところで、内面を完璧な数値化することは難しいだろう。

 

親子関係を強さからの結びつきに変えるとはどういうことだろうか。

精神的な自立をした親と子で結びつくということなのではないか。

経済的な自立はもちろん必要だが、精神的な自立の方が簡単なようで意外とできていない。

精神的な自立をした親と子で結びつくというのは、共依存の関係を脱出するということ。

お互いに自分の人生を歩んでいく。「他者」として関わっていく。

良い意味で、親も子も他者の内の一人だと捉えることが肝要だと僕は思う。