億男をいまさらながら見た。
さんざん今まで見るチャンスはあったのに、
今のタイミングで見たのは、
アマゾンプライムで見れる期間が終わりそうだったから。
僕は元来、締め切りが近づかないと動かない人間なのである。
もったいない。という感情は、人を動かすための動機として強烈なものなのかもしれない。
億男の概要については、
僕が言うまでもないので、
引用する形で済ませておこうと思ったが、
どこのサイトを見ても長ったらしく読む気が失せるので、
3行程度でざっくりとしたことを書いておく。
あらすじ
借金を抱え、家族にも愛想をつかされてしまった主人公(一男 かずお)が宝くじ3億円を当てたが、
親友(九十九 つくも)にそのお金を持ち逃げされてしまった。
そこから主人公は親友の関係者に行方を尋ねていくが、行方がわからない。
親友は大学を中退して起業しており、その関係者はみな億万長者だった。
その億万長者たちから話を聞いていくうちに、
お金の本質とは何か?ということを主人公は考えさせられる。
そして、主人公が出した結論とは何だったのか?
という話である。
ネタバレあり考察・感想
まったく3行に収まらなかったが、
それでも最低限を説明したつもりなので許してほしい。
ネタバレが嫌な方は、ここからは読まないでいただきたい。
※以下ネタバレ注意
冒頭から印象的だった。
パーティーの場面で印象的なのは、
シャンパンやカクテルやその他もろもろの高級な飲み物、食べ物がある中で、
九十九はコーラを飲んでいるところ。
気が付かない人もいるのかもしれないが、
あの場所でコーラをペットボトルのまま飲んでいるのは違和感しかない。
「脆弱極まりないね、指紋セキュリティ」
というセリフも最後まで見終わってみると、伏線であったことに気が付く。
99%は冒頭に詰まっていたのではないか、
とすべて見終わってみてから気づいた。
冒頭の段階で、九十九からは99%の答えが示されていた。
ラストシーンで、九十九は「お金は人を変えてしまう」
ということを言っているが、
それがお金の99%ということであるなら、
それは冒頭に詰まっていたのではないか、
と思うのだ。
ラスト1%は一男が補完したわけだけれど。
たぶん、99%の答えは、だれでも知ることができる。
今の世の中なら、動画もあれば、映画もあれば、本もあれば、漫画もある。
いくらでもお金について学ぶことは可能だ。
例えば、
- お金持ちより信用持ち。
- あり金はすべて使え。
- 年収のニ年分くらい貯金しろ。
- 銀行は金利が低いから投資がよい。
- 投資は投資でもローリスクローリターンのインデックスファンドがおすすめ。
- つみたてNISAがいい。
もうありとあらゆるお金の使い方は世の中に溢れている。
でも、それはどこまでいっても「99%どまり」なのだ。
残りの1%を埋めるものは何か?
それが実体験なのではないかと僕は思う。
でもお金の実体験というのは、
ある程度の金額を自分で使わなければわからないとも思ってしまう。
子供のお小遣い程度のお金でお金の真理を悟れるほど、
お金はわかりやすいものではない。
お金って何?という子供じみた質問に多くの大人が答えられないのは、
大人でもお金のことをろくすっぽ理解していないからだ。
僕もよくわからない。
お金というものが何なのか、子供のころから疑問だったけれど、
今でもこれといった答えは出ていない。
残り1%の補完は達成されていない。
一男が残りの1%を補完することができたのは、
まぎれもなく、宝くじに当たったからだし、
宝くじに当たって、かつ、パーティーで無駄遣いしたからだと思う。
そういう痛い目にあったからこそ、
痛い目にあっている人を間近で見たからこそ、
残りの1%が見えたのではないかと思う。
お金が人を変えるのか、
人がお金を変えるのか、
これは境地の違いといえるのではないだろうか。
99%までの悟りでは、
お金が人を変えてしまう。
お金によって支配された人生になってしまう。
しかし、99%の悟りに違和感を感じ、
99%に心底飽きた瞬間に、残りの1%が補完されるような気がする。
その1%が補完された瞬間に人はお金からの支配から逃れ、
お金をうまく扱えるようになるのかもしれない。
かもしれない。としか今は言えない。
なぜなら僕がいまだに補完できずにいるからだ。
いまだに僕はお金に支配された境地にとどまっている。
それは金額的な問題ではなく、境地的な問題で、
僕はまだ霊格が100%に達していない。
たぶん100%に達したら達したで、
またステージが変わって1%からやり直しなのだろうけれど。
その話は少々ぶっ飛んだ話になってしまうので割愛。
あとは、お金の高揚感に飲まれてはいけねえよ。
この映画の中で示されていたヒントを1つだけ書き残しておく。
それは、
人の願いをかなえるために、お金を使う。
ということ。
たぶん、一回くらいでは変わらないだろうけれど、
100回、200回、10000回くらい人のためにお金を使うようになれば、
何か変わるのではないか、と思う。
取り急ぎ以上です。
億男、非常に面白かったのでオススメです!