今日は早起きしたので、
一つ本を紹介しておく。
以前も載せたけど、
森博嗣『馬鹿と嘘の弓』
ネタバレは避けながら書く。
この物語から感じたのは、
何も持たない賢い人というのは、
狂気的だということ。
何も持たず、身軽に生きていて、
かつ頭脳が明晰であるということは、
社会の歪みを、社会の不合理を、
そのまま受け止めてしまうということになるからだ。
社会は、不合理で、なかなか変わらない。合理的に考えればおかしいことばかりだ。
この本の中では、ハロウィンで仮装して街を練り歩き、ふざけあう人々が登場するが、これも合理的に考えれば必要性はない。
それはなぜなのだろうか?
という思考を働かせることができる人は、意外にも少ない。
そして、合理的に行動する人はもっと少ない。
だが、主人公の柚原は、それができる。何も捨てるものがなく、かつ頭脳明晰、行動も合理的で、思考も冴えている。だからこそ、彼が社会に絶望するとき、それは狂気になる。
一つ思うのは、AI搭載型の人型ロボットができたとして、
彼(彼女)は、間違いなく合理的に考え、合理的に行動するだろう。
とすれば、この社会の不合理を目の当たりにして、何をするのだろうか?
僕は、この物語と同じ筋を辿るような気がしてならない。
結末は想定外。唖然とする。