最近、久しぶりに漫画を買った。
「うみべのストーブ」という作品。
なんか本屋でピンと来たので、買ってみた。
この漫画がすごい!みたいなやつの女性ランキング一位らしい。
ランキングなどどうでもいいことだけれど。
いや、マンガは最近でも買っている。
ウィッチウォッチとか、ワンピースとか、キングダムとか、
そういう「マンガ」は日常でも読むことが多い。
別に明確に漫画とマンガを分けているわけではないけれど、
なんとなく、この「うみべのストーブ」のような作品は、
漢字の漫画っていう感じがする。
ほかに、どんな作品が漫画っぽいのか?
と問われても、今のところ思いつかないし、
さっき、なんか、再読していて、
漫画って感じだなー、と思ったから、
それをこうやって書き始めているだけだ。
一応、作品の感想などを書いておく。
これは短編集で、
7つの作品が収録されている。
よくあるマンガのような感じではなく、
これは小説のような感じだ。
文学的だから、日常に寄り添ったような形の物語が収録されている。
こんな形の漫画ってあんまり読んだことがなかったな、
と読んでみて思った。
たしかにこういう漫画があってもいいな、
たまにはこういう漫画も読みたいな、
と思った。
俵万智さんが、帯に推薦文を書いていて、
「忘れそうなほど小さくて、でもとても大切な何かを見つめなおす」
っていうことを書いていた。
たしかにそんな感じだ。さすが俵万智さん、と叫びたくなるような推薦文だ。
僕は、「きみが透明になる前に」という作品が好きだ。
詳細は省くけれど、
家族になるとか、夫婦になるとか、
ってその人の抱える嫌な面も好きな面も、
すべてひっくるめて引き受けることになる。
例えば、夫婦なら、夫が仕事でイライラして帰ってくるようなこともあるし、
そのイライラをぶつけられて、妻のほうもイライラしてしまうようなこともある。
家族になるっていうのは、そういうことの集積のような感じで、
たしかに、いろんないい面もあるけれど、
その分、引き受けるべきよくない面もそれ相応にあるものだ。
恋の賞味期限は三年だとよく言われる。
たしかに、人の好きなところだけを見て、恋をして、
そうやって浮かれた気分に浸っていられる時間は限られている。
恋に恋しているような状態になったことは僕にもあると思う。たぶん。
でも、恋だけでは人間は生きてはいけなくて、
ちゃんとその人とともに生きていく、
という覚悟を決めて生活をしていくっていうのは、
本当に尊いけれど、尊いがゆえに地味で、たまに苦しくて、淡い。
日常っていうのは地味で、淡くて、初心や一番大切な感情が埋没していってしまう。
日常を生きていたら、普通に生きていては、そういう大切だったはずのものがどんどん忘れ去られていく。
そういう忘れ去られてしまうかもしれない大切なものがあることを思い出させてくれる、そんな良い話だった。
この漫画には、こういう話が7つも収録されいて、
別にどうってことのないことだけれど、でも大切だったなにか、
そういう自分にとっての初発(しょはつ)の願いってなんだったっけ?
っていう問いを与えてくれる。
ということで、とてもおすすめの良い本です。
最後まで、読んでいただき、ありがとうございます。
では!