どこに向かって進んだって後ろめたさの残る歴史を歩み続ける以外に、この人生に選択肢はない。
朝井リョウ 著 「どうしても生きてる」流転より
リアル、熱、切実さ、本音、嘘のなさ
それを貫ける人生と、どこに向かっても後ろめたさの残る人生。
みな前者でありたいと強く願う。
でも、現実はそう上手くはいかない。
ちょっとした運の良さ、出会い、才能、性格、そんな曖昧なもので前者にも後者にもなってしまう。
人生とは壮大な確率論である。
誰に出会い、どこに行き、何をするか、
それは運命とも言うべき壮大な確率で進んでいく。
自分には何があって何がないのか、それを精確に測る必要がある。
壮大な確率論は、自分ではコントロールできない。
そのコントロール不可能なものを神と呼ぶ。
偶然は神なり。
壮大な確率論から人は逃れられない。
後者になってしまっても、くじを引き続けなければならない。
くじを引き続けることが人生なのだから。